不良在庫の意味とは?処分メリット・対処ポイント・おすすめの処分方法を紹介

最終更新日: 2025/06/24


「在庫」といえば会社にとって大切なものですよね。しかし、中には売ることが難しくなってしまった「困った在庫」があるんです。これが、今回お話しする不良在庫です。

不良在庫ってどんなもの?

不良在庫ってどんなもの?

不良在庫とは、簡単に言うと「そのままでは売り物にならない商品」のことを指します。例えば、時間が経って品質が落ちてしまったり、壊れてしまったり、流行が廃れてしまい誰も欲しがらない商品などがこれにあたります。

よく似た言葉に「過剰在庫」というものもありますが、これは少し違います。過剰在庫は、たくさん作りすぎただけで品質には問題がない商品なので、セールなどで安くすれば売れる可能性があります。

しかし不良在庫は商品自体に問題があるので、たとえ安くしてもなかなか売れません。最悪の場合、価値がゼロになってしまうこともあります。

実は、私たちアイムライズにも、配送中に壊れてしまった食品や、お店に並べられなくなってしまった商品について、たくさんご相談が寄せられます。困っているお客様の力になりたいという思いで、これらの商品を買い取らせてもらい、再び市場に戻せたケースもたくさんあります。

そこで今回は、なぜ不良在庫が生まれてしまうのか、どうすれば防げるのか、そして私たちアイムライズのような買取業者を上手に使うメリットについて、わかりやすく解説します。

1. 「不良在庫」はどこから来るの?あなたの知らないサプライチェーンの「痛み」

「不良在庫」は、実は皆様の会社の中、例えば倉庫や製造ラインだけで発生するものではありません。商品の企画段階から、製造、保管、そして最終的に皆様のお客様の手元に届くまでの、すべての流れ(サプライチェーン)のどこかに、その種が隠れている可能性があるのです。特に、管理の目が届きにくい運送を担う外部のパートナー様の工程では、予期せぬ形で不良在庫が発生してしまうことも少なくありません。

それでは、その原因を社内の要因と社外の要因に分けて、具体的に見ていきましょう。

A. 社内(メーカー・販売元)要因:貴社内で生まれる「もったいない」

企画・開発の段階での小さなズレ

●「やりすぎ」た品質や機能

「こんなに素晴らしい機能があれば、きっと売れる!」と情熱を込めて開発した結果、市場が求めるレベルを超えすぎてしまい、価格が高騰。お客様の手に届かず、結局売れ残って不良在庫になってしまう、そんな切ないケースです。

製造・品質管理の段階での見落とし

製造での「つまずき」

設計通りに作れなかったり、製造ラインでちょっとしたエラーが起きたりして、最初から不良品が生まれてしまうことがあります。

品質チェックの「甘さ」

工場での厳しいチェックは通過したはずなのに、いざ市場に出た後や、お客様の手に渡ってから初めて隠れた欠陥が見つかる、ということもあります。

例えば、お菓子の袋に、見た目にはわからないほどの小さな穴(ピンホール)ができてしまい、出荷時の検品では見逃されていました。しかし、お店に並んでいる間やお客様が購入された後に、その穴から湿気が入り込み、中身の品質が落ちてしまい、多くのお客様からクレームが寄せられることで問題が明らかになる、といった状況です。

保管の段階での「不注意」

不適切な保管環境

倉庫の温度や湿度が適切でなかったり、直射日光が当たってしまったりして、保管している間に商品が劣化し、色が変わったり、変質したりしてしまいます。特に食品は一番注意が必要ですし、長く保管しすぎると、商品の外装が傷んでしまうことがよくあります。

長い保管期間による「老朽化」

商品が売れ残っている間に、新しいモデルが発売されてしまい、旧モデルが完全に時代遅れになって、その価値を失ってしまう(特に家電製品やIT機器でよく見られますね)。

B. 社外(外部業者)要因:あなたの見えない場所で生まれる「痛み」

こちらは、貴社の管理が直接届かない場所で発生するため、特に注意が必要です。

輸送・配送の段階での「アクシデント」

荷崩れ・破損・汚損

運送業者による積み込みや荷下ろしの際の不注意、あるいは輸送中の急ブレーキや急ハンドル、不適切な積み方によって、商品が物理的に損傷してしまうケースです。商品本体には問題がなくても、外装の段ボールや商品が入っているケースが破損しただけで、不良品扱いになってしまうこともあります。

近年においては、物流業界の人手不足など、さまざまな課題の影響もあり、このような事象が増え、運送業者が責任をとる形で商品を引き取り、行き場を失ってしまう、という苦しい状況が発生しているのです。

品質の劣化

冷蔵・冷凍品を運ぶ途中で温度管理が適切でなかったり、高温多湿な環境で運ばれたりして、商品が変質したり、残念ながら腐敗してしまったりすることが挙げられます。

仕入先(サプライヤー)での「初期不良」

部品・原材料の品質不良

商品を製造するために仕入れた部品や原材料が、最初から不良品であった場合です。それに気づかずに製品を製造してしまうと、完成した商品すべてが不良在庫となってしまう、という大きな問題に発展することがあります。

2. 「不良在庫」への対策~未来を守る「予防」と、今を救う「対処」

不良在庫の発生を未然に防ぐ「予防策」と、もし発生してしまった場合に、その損失を最小限に抑える「対処法」の両方に、心を込めて取り組むことが大切です。

発生予防策

● 未来への「種まき」

まず、貴社内の体制を強化することが、不良在庫対策の揺るぎない土台となります。

在庫管理システムを導入して「先入れ先出し」(先に仕入れたものから先に売る)を徹底し、長く保管しすぎることによる商品の品質劣化や旧式化を未然に防ぎましょう。また、製造工程から倉庫での保管環境に至るまで、全体の品質基準を見直し、定期的にチェックする体制を構築することで、不良在庫が生まれるリスクを、その根っこから減らすことが可能になります。

そして社内の取り組みと同時に、心から信頼できる外部パートナーを選定することも非常に大切です。

運送会社を選ぶ際は、単に料金の安さだけでなく、過去の取り扱い実績、品質管理の体制はどうか、万が一のための損害保険にきちんと加入しているか、ドライバーさんへの教育は行き届いているか、といった点を多角的に、そして丁寧に評価する必要があります。

同様に、部品や原材料を仕入れるサプライヤーに対しても、定期的に品質監査を実施し、納品される際の検品体制を強化することで、不良品が製造ラインに流れ込むのを水際で防ぎましょう。

さらに、これらのパートナー様との連携を深め、契約内容を見直すことも欠かせません。

運送会社と協力し、商品特性に合わせた最適な梱包方法や積み込み方法をマニュアル化・標準化し、万が一輸送中に破損や汚れによる損害が発生した場合に備えて、契約を交わす前に「誰に責任があるのか」「どこまで補償されるのか」を明確に定め、書面で残しておくことが、将来の安心へと繋がります。

発生後の対策

● 今、抱えている「痛み」への優しい手当て

どんなに細心の注意を払っていても、ビジネスには予期せぬトラブルがつきものです。もし不良在庫が発生してしまったら、その損失を最小限に抑えるため段階的に、かつ迅速な対応が求められます。

まず考えなければならないのは、ダメージの程度に応じた再利用の可能性です。傷や汚れが軽微であれば、アウトレット品や訳あり品として、少し価格を下げて販売することで、その商品に新たな命を吹き込み、いくらかの現金に変えることができます。一方、製品として機能しないほど損傷している場合でも、分解して一部の部品を修理用パーツとして活用できる可能性も、諦めずに探してみましょう。

また、お中元やお歳暮などのギフトセットとして組まれた商品で、外装の箱が潰れてしまった商品。ギフトとしてはもう難しいですが、箱から取り出し、バラ売りとして販売することで、再びその価値を輝かせることができます。

もし、傷や汚れの程度が大きく、再利用が難しい場合は、他の処分方法を検討しましょう。

例えば、NPO法人や各種団体へ寄付するという選択肢は、社会貢献に繋がり、場合によっては税制上の優遇措置を受けられるメリットがあります。

物価高騰や予算などの関係で、資材や食品等の調達が厳しい状況の団体はたくさんあります。商品の内容や状態の審査はありますが、相談してみてはいかがでしょうか。

上手くいけば、多くの方に喜んでいただけて、さらに廃棄コストも削減でき、多くの笑顔を獲得できます。

しかし寄付も難しく、いよいよ「捨てるしかない…」という最終手段を検討する状況になっても、その一歩を踏み切る前に、在庫買取業者へ売却するという、もう一つの希望があることを、どうか忘れないでください。

例えば、輸送時に荷崩れしてしまった場合でも、すぐに不良在庫として処分するのではなく、「訳あり品」を買い取ってくれる業者に相談してみることを強くお勧めします。そして、もし商品が食品である場合は、賞味期限があるので、ためらわずに早めに相談することが何よりも重要です。躊躇していると賞味期限はどんどん短くなり、その分商品の価値も下がってしまうのです。

このように、不良在庫の処理を単なる「損失の確定」という諦めから、「価値の回収」という前向きな転換へと捉え直すことは、とても有効な選択肢の一つと言えるでしょう。これは、単に不要なものを処分するのではなく、コストをかけて資産を消滅させる「負の行為」から、たとえ少額でもキャッシュフローを改善し、次へと繋げる「事業活動」の一環と捉えることができる、まさに「建設的な行為」に変わるのです。

つまり、不良在庫を単なる「お荷物」として見るのではなく、再利用可能な「資源」として捉え直すことで、廃棄では決して得られない経済的なメリットと、新しい可能性が生まれることを、どうか心に留めておいてください。

3. 「不良在庫」の買取業者はあなたのビジネスを支える心強いパートナー

一見すると価値がないように思える不良在庫も、専門の買取業者にとっては、独自の販売ルートやノウハウによって、新たな価値を見出す場合があります。買取業者を、皆様のビジネスにおける心強いパートナーとして活用することには、以下のような利点があるのです。

キャッシュフローへの温かい「光」

不良在庫になってしまうと通常は「捨てるためにお金がかかる在庫」ですが、現金となって戻ってくるのです。たとえ一つ一つの金額が小さくても、マイナスがプラスに転じるこのインパクトは大きく、貴社のキャッシュフローを改善してくれます。

倉庫に「ゆとり」と「活気」を

不良在庫を保管し続けるための倉庫賃料、光熱費、管理にかかる人件費といった継続的なコストを削減できます。そして、空いたスペースは、より収益性の高い商品の保管や、新たな生産活動のために有効に活用できるようになり、倉庫全体に活気が生まれます。
また金融機関から融資が受けやすくなることもあります。
金融機関においては、大量の不良在庫は健全な企業運営の妨げになる傾向が見られます。そのため、融資審査の際には、在庫回転率を勘案する場合も少なくないようです。
在庫回転率とは、一定期間内に在庫がどれだけ販売されたのかを指し示す指標です。この回転率が悪いと銀行から問題視されて、思ったように融資が受けられない可能性があります。不良在庫を処分すれば在庫回転率が向上するので、適正に処分することで銀行からの評価向上にも役立つでしょう。

ブランドの「輝き」を守る

自社で「訳あり品」として安易に市場に流してしまうと、大切なブランドイメージが傷ついたり、正規商品の価格体系が崩れてしまったりするリスクがあります。しかし専門の買取業者は、国内の通常の販売ルートとは異なる独自の再販網(例えば、海外市場や特定のチャネルなど)を持っていることが多いため、ブランド価値を損なうことなく、在庫を適切に、そして速やかに流通に戻すことが可能になります。

地球への「思いやり」を形に(CSRへの貢献)

廃棄による焼却・埋め立てなど、環境への負担を減らし、商品をリユース・リサイクルすることは、企業としての社会的責任(CSR)を果たすことに直結します。
環境への配慮を大切にする企業として、対外的にアピールすることも可能となります(EGS評価の向上)。

時間と心に「ゆとり」を

自社で処分方法を検討したり、個別の売却先を探したりする、膨大な手間と時間が省けます。買取業者に依頼することで、在庫担当者や関連部署のスタッフは、本来の業務に集中することができ、企業全体の生産性向上にも繋がります。

今回は、不良在庫が生まれてしまう原因、そして、買取業者を皆様の心強いパートナーとして活用する場合の具体的なメリットについて解説しました。
これらの多様な方法を尽くした上での、本当に最終的な手段が「廃棄」となってしまいますが、これには専門業者への委託費用がかかり、地球への負担も大きいことから、可能な限り避けるべき選択であると、私たちは心から願っています。
もし貴社で不良在庫が発生し、その処分や有効活用を検討されることがございましたら、どうか一人で抱え込まず、ぜひ一度不良在庫の買取についてアイムライズへご相談ください。大切な商品の資産価値を最大限に残し、少しでもコスト削減ができるよう、皆様の心に寄り添い、全力でサポートさせていただきます。