食品ロス削減には買取が有効!法人における食品ロスの要因と買取OK・NG食品を解説

昨今、何かと取り沙汰されることの多い食品ロス問題ですが、特に食品関連業界の方は注目する機会も多いのではないでしょうか。しかし、問題意識をもちながら食品ロス削減に積極的に取り組んではいても、予期せぬ過剰在庫の発生などにより、企業内努力だけで食品ロスを削減するのは難しいケースも多々あるものです。そんな場合には、買取の利用が効果的です。

今回は、食品ロス・隠れ食品ロスの実態や、食品ロスが起こってしまう要因をまとめつつ、買取対象となる食品・ならない食品や、おすすめの買取業者の特徴を紹介していきます。食品ロスの緩和のためにも、ぜひ参考にしてください。

食品ロスの削減には買取業者の利用が有効

なるべく効率的に食品ロスを削減するには、買取業者の利用が有効です。

一般的に、過剰な食品在庫を処分する方法としては、廃棄処分や割引販売が挙げられます。しかし、廃棄は食品をまるごと無駄にする行為となり、そのまま食品ロスへと直結します。また、割引販売には、廃棄よりも食品を有効活用できるメリットがありますが、通常商品とは異なる販売の仕方のため、場合によっては準備などの手間暇がかかります。また、そもそも自社での割引販売自体が難しいケースもあるものです。

そんなときには、買取業者の利用がおすすめです。買取先は、買取業者が探して販売してくれるため、依頼側の負担が抑えられるメリットがあります。買取してもらった食品は、買取先の企業や団体、飲食店において、通常商品と同様に有効活用されます。フードロス問題を解決できるだけでなく、現金化することでコストの回収も可能なため、積極的な買取利用がおすすめです。

食品ロスの実態

そもそも食品ロスとは、本来食べられるはずなのに捨てられてしまう食品を指します。

令和3年度の農林水産省の発表によると、日本の食品ロスは、年間およそ523万トン(うち事業系では半数以上の279万トン)であるといわれています。この食品ロスの分量は、国連WFPの年間食料支援量440万トンのおよそ1.2倍です。つまり、世界の貧困層や被災者への支援食料より、日本人が捨てている食料の方が多いという実態があります。

さらに食品ロスには、捨てられた食料をゴミとして焼却処分する際に、燃焼ガスの発生によって地球温暖化につながる問題もあります。このような背景もあいまって、食品関連事業者が適切に食品リサイクルに取り組まなかった場合には、政府から勧告や罰金処分を受けることが食品リサイクル法によって定められています。

以上のことからわかる通り、食品ロスは企業として取り組むべき大きな課題です。

出典:農林水産省「特集『食品ロスって何が問題なの?』」、国税庁「食品リサイクル法の概要」

隠れ食品ロスの実態

食品ロスには先に挙げたデータの他にも、食品加工時に出る端材や、サイズ・見栄えの問題から規格外とされた野菜など、いわゆる「隠れ食品ロス」といわれるものもあります。

一般廃棄物として処理されているこれらの隠れ食品ロスを合わせると、食品ロスの総量はおよそ2,402万トン(うち事業系は1,670万トン)にもおよぶといわれています。これは、先ほど紹介した食品ロスのおよそ4.5倍以上の量です。このことから、毎年膨大な食料が捨てられていることがわかるのではないでしょうか。

この報告にもとづき、政府は社会全体としての改善取り組みが必要として啓蒙活動を行っています。需要に見合った販売の推進や、気象情報を用いた需要予測、商慣習の見直しや納品期限の緩和など、さまざまな施策の提案を行っています。

出典:消費者庁「食品ロス削減関係参考資料(令和5年6月9日版)分割版2」

食品関連業界で食品ロスが起こってしまう要因

食品関連業界において、食品ロスが起こってしまう主な要因は次の通りです。

<食品関連業界で食品ロスが起こってしまう要因>
・賞味期限の切迫
・誤発注・生産計画の狂いなどの人為的ミス
・商品のリニューアル
・取引先からの急な返品
etc

それぞれ具体的に説明します。

賞味期限の切迫

食品関連業界で食品ロスが起こってしまう大きな要因は、賞味期限の切迫です。食品には賞味期限が設けられていますが、現在の日本で販売が可能なのは、いわゆる1/3ルール(もしくは1/2ルール)により、賞味期限まで一定の期間が残っている食品に限られるのが通例です。

食品加工メーカーから卸業者や小売業者に販売できるのは、製造日から賞味期限までの期間のうち、1/3の期日までという暗黙のルールがあります。さらに小売り業者から消費者に販売できるのも、賞味期限が1/3残った状態を限度とするのが通例です。つまり、賞味期限が3カ月の食品の場合、メーカーから小売りへ納入できるのは製造から1カ月までとなり、小売りが消費者向けに販売できるのは製造から2カ月以内という計算です。この日を過ぎた食品、この例でいうと賞味期限まで1カ月を切った食品は、通常ルートでは販売されず、割引販売や寄付、廃棄など、何らかの処分対象となります。

賞味期限まで十分余裕のある食品が処分対象に含まれることから、この慣習は改善すべき課題として取り上げられてきました。農林水産省などの働きかけにより、近年ではメーカーから小売りへの出荷期限を1/2まで引き延ばす動きもあります。いずれにせよ、本来ならまだまだ食べられるはずの食品が、賞味期限の切迫商品として取り扱われ、一般消費者の口に入りにくい状況になっているのは確かです。

賞味期限と消費期限の違い

賞味期限と消費期限は、次のように異なります。

・消費期限:安全に食べられる期限
・賞味期限:おいしく食べられる期限

そのため、賞味期限を過ぎたからといって、すぐにその食品を食べられなくなるわけではありません。またメーカー側は、実際の期限ギリギリではなく、ある程度の余裕をもたせて期限を設定しているため、この期限を過ぎてもある程度は問題なく消費できるのが一般的です。
※消費期限については、安全上の理由から、期限を過ぎた食品の摂取は推奨されません。

出典:農林水産省「消費期限と賞味期限」、農林水産省「食品の期限設定の考え方と実例について」

誤発注・生産計画の狂いなどの人為的ミス

誤発注・生産計画の狂いなどの人為的ミスによっても、食品ロスは起こります。

近年では、在庫管理システムやAI技術の導入などにより、発注や生産計画の精度が高まりました。しかし、それでも人が起こすミスは完全にはなくならないため、そこから食品ロスにつながることがあります。また、気候要因や予期せぬアクシデントなどは事前予測が難しいため、突発的要因から食品ロスが発生する可能性もあります。

商品のリニューアル

商品のリニューアルも、食品ロス発生の一因となり得ます。

パッケージや規格変更などのモデルチェンジがあった場合には、旧商品はそのままでは売れず、店頭で割引販売したり、メーカーへの返品処理を行ったりすることがあります。メーカー側に集まった旧商品は何らかの処分が必要となりますが、一般ルートでの販売が難しいことから、それがそのまま廃棄されて食品ロスにつながることがあります。

取引先からの急な返品

食品ロスは、取引先からの急な返品によっても発生します。

先に挙げた商品リニューアルに起因した返品だけではなく、さまざまな理由から商品がメーカー側へ返品される場合があります。これはメーカー側では予測が難しいことが多いため、事前の対処は困難です。特にチェーン店や大口取引先からの返品が発生した際には、ロットが大量になり、一気に過剰在庫を引き起こします。賞味期限などの兼ね合いもあることから、簡単にはさばききれずに廃棄処分となるケースも多く、フードロスを招く大きな要因になります。

買取対象となる食品

買取業者では、さまざまな種類の食品を買取対象としています。一例を挙げれば、冷凍食品・飲料・レトルト食品・缶詰・菓子類・調味料・麺類など、幅広いジャンルの食品が買取対象となります。

ただし、買取業者によって得意ジャンルがあり、取扱可能な食品が異なるのが一般的です。買取依頼を検討中の商品がある場合には、まずは直接業者に問い合わせてみるとよいでしょう。

買取できない食品の特徴

さまざまなジャンルの食品が買取対象となりますが、一方で買取できない食品もあります。一般的には、以下の条件に該当する食品は買取不可となります。

<買取できない食品の特徴>
・汚損・カビ・開封済など保管状態に問題のある食品
・賞味期限を著しく過ぎた食品
・特殊な流通経路をたどった食品

それぞれ説明していきます。

汚損・カビ・開封済など保管状態に問題のある食品

汚損・カビ・直射日光・開封済など、保管状態に問題のある食品は買取対象とはなりません。食品である性質上、衛生上の問題や品質の担保が難しいことから、これらの食品は買取不可となります。

ただし、外箱に軽いへこみがある程度のB級品であれば、買取してもらえる場合があります。商品の状態や買取業者によっても判断が異なるため、商品の現物を送付したり、商品の写真画像を提示するなどして先方に相談するのがおすすめです。

賞味期限を著しく過ぎた食品

賞味期限を著しく過ぎた食品についても、買取できないのが一般的です。

先述した通り、賞味期限と消費期限は異なります。消費期限が安全に食べられる期間であるのに対し、賞味期限はおいしく食べられる期間であり、さらにメーカー側は余裕をもって期限の設定を行っています。このような背景から、賞味期限を過ぎている食品でも、条件次第では買取可能です。しかし、著しく賞味期限を過ぎている食品は販路がないことから、通常は買取対象外となります。

特殊な流通経路をたどった食品

特殊な流通経路をたどった食品も、買取できません。

特殊な流通経路をたどった食品とは、たとえばいったん産業廃棄物処理業者に依頼をかけたような食品を指します。このような商品はいわば「ゴミ」として扱った実績があることから、食品としての安全性を考慮し、買取の対象とはなりません。また、廃棄物を依頼した業者と廃棄物処理業者の間で、転売に関してどのような契約がされているか、買取業者の立場ではわかりません。よってそのような場合はトラブルになる危険性がありますので、買取りをしないケースがほとんどです。

こんな食品買取業者がおすすめ

食品の買取にはさまざまな業者が対応していますが、おすすめの業者の特徴としては次のものが挙げられます。

<おすすめの買取業者の特徴>
・大量ロットの買取に対応している
・希望すれば秘匿展開で対応してくれる
・買取以外の提案もしてもらえる

まず、食品の場合には賞味期限の問題があります。そのため、大量ロットの買取に対応している業者であれば、素早い処理によって在庫を有効活用可能です。また、秘匿展開が可能な買取業者であれば、取引先の顔色を窺ったりもめたりせずに済み、トラブル防止に役立ちます。どうしても条件が合わずにやむなく買取不可となってしまったケースにおいても、買取以外のノウハウをもつ業者であれば、可能な限り在庫を活用できます。たとえば寄付を行ったり、キャンペーンを実施したりするよう提案してもらうことで、貴重な在庫を無駄にせずに済むでしょう。

まとめ

今回は、食品ロス・隠れ食品ロスの実態や、食品ロスが起こってしまう要因、買取対象食品、おすすめの買取業者の特徴などについて紹介しました。食品ロスは、日本のみならず、世界的にも大きな問題となっています。ぜひ積極的に買取を利用し、フードロスの緩和に役立ててみてください。

アイムライズでは「もったいない精神」のもと、できる限り食品ロスを抑える理念をもって積極的に食品買取に取り組んでいます。万が一買取条件が折り合わなかった場合でも、なるべく商品を無駄にしないようさまざまな提案を実施しております。食品在庫の有効活用をお望みの方は、ぜひ弊社までご相談ください。