モノを大切にする近年の風潮と相まって、過剰在庫の処分方法として買取システムの利用が注目を集めています。中でも輸入食品の場合には過剰在庫が発生しやすい性質があり、買取を利用した在庫整理で享受できるメリットが大きくなっています。
今回は、輸入食品が過剰在庫になりやすい理由や、買取対象となる輸入食品の例を紹介します。買取利用時の注意点も解説していくので、ぜひ参考にしてください。
輸入食品の買取利用はSDGsに貢献
輸入食品の在庫がだぶついた場合、買取システムを利用して在庫処理すれば、SDGsの推進に貢献可能です。食品在庫を有効活用することで、食品ロスやCO2の排出量を抑えられるという大きな意義があります。
もちろん、買取利用には売上が立つ利点もあるのはいうまでもありません。企業に課せられた使命を果たせるのと同時に、自社のコスト回収にも役立つことから、買取は積極的に利用したい有意義なシステムといえます。
食品の輸出入で過剰在庫や廃棄処分が起こる理由
食品の輸出入で過剰在庫や商品の廃棄処分が起こる理由については、次の要因が挙げられます。
<食品の輸出入で過剰在庫や廃棄処分が起こる理由>
・リードタイムの長さ
・ブームの終了
・世界情勢の変化
・輸送時の問題
詳しく解説していきます。
リードタイムの長さ
食品の輸出入で過剰に在庫を抱え込みやすい理由の1つとして、リードタイムの長さが挙げられます。輸出入は国をまたいだビジネスであることから、発注から納品までに時間がかかる傾向があります。距離的な要因から、単純に荷物を運ぶだけでも輸送日数がかかり、そもそも輸送日数自体が読みにくいなど不安定な要素が多いのも特徴です。
そのため輸入ビジネスでは、なるべく安定的な商品の供給を実現するために、安全をみて厚めに在庫をもつ傾向が見られます。しかしそれが行き過ぎると過剰在庫になり、さらに食品には賞味期限や消費期限のしばりがあることから、売り物にならない不良在庫が発生しやすくなります。
ブームの終了
輸入食品のブームの終了も、過剰在庫につながる要因です。タピオカなど外国の食品がマスコミやSNSを通じて話題になると、それをきっかけにブームに火がつき、商品の需要が一気に高まります。結果、輸入が進みますが、輸送費などのコストがかかることから、一度に大量ロットを輸入する傾向があります。競争原理も相まって、輸入の動きはどんどん加速しがちです。
ブームの間は順調に商品が売れるため、それでも問題ないのですが、人気が下火になるにつれて当然需要は減少していきます。その段階になってから慌てて輸入をストップしても、既にさばききれない大量の在庫を抱えているケースは少なくありません。
このように食品の輸出入時には在庫のコントロールが難しいため、一度に大量の過剰在庫が発生しやすくなります。
世界情勢の変化
世界情勢の変化も、食品の輸出入で過剰在庫を発生させやすい要因です。国をまたぐ商取引においては、取引先の国で急な輸出入の規制や法律の変更、紛争などがあった際、計画が大きく狂います。これらの変化は、ある日突然予告なしに訪れる場合も少なくありません。国内での商取引に比べ情勢変化の予測が立ちにくいことから、食品の輸出入の際には、国際間の問題に起因した過剰在庫が発生しやすくなります。
輸送時の問題
食品の輸出入時には、輸送にまつわる問題も発生しやすくなっています。海外からの食品は検疫しますが、チェックに時間がかかり、大幅な遅延が生じる場合があります。検疫の結果次第では、輸入禁止となる可能性も否定できません。
また輸入食品は、外箱のダンボールに潰れや汚損が起こるなど、輸送中の破損の問題も発生しやすい傾向があります。外箱にダメージがあった際には、たとえ中身に品質上の問題がない場合でも、小売店に納品できないケースが多々あります。このような背景から、輸入食品は不良在庫につながりやすくなっています。
買取対象となる輸入食品の例
過剰在庫や不良在庫につながりやすい輸入食品ですが、業者での買取対象となる輸入食品の例としては次のものが挙げられます。
<買取対象となる輸入食品の例>
・輸入菓子
・輸入飲料
・調味料
・麺類
・冷凍加工肉
・冷凍海産物
・発酵食品
・外箱破損した食品
それぞれの項目について、具体例を紹介します。
輸入菓子
チョコレート菓子、スナック菓子、キャンディ類、ガム、マシュマロ、ドライフルーツ、カステラ、スポンジケーキなど
輸入飲料
飲料水、フルーツジュース、ワイン・ブランデーなどの酒類など
調味料
唐辛子、ブラックペッパー、粒マスタード、カレー粉、シナモンパウダーなど
麺類
インスタントヌードル、パスタなど
冷凍加工肉
冷凍鶏モモ肉、冷凍牛サーロイン、冷凍豚バラ肉など
冷凍海産物
冷凍エビ、冷凍トラウトサーモン、冷凍ボイルズワイ蟹、冷凍タコなど
発酵食品
クリームチーズ、ゴルゴンゾーラチーズ、カマンベールチーズ、冷凍キムチなど
外箱破損した食品
外箱の潰れや破損がある商品でも、中身の品質に問題がなければ買取対象となります。具体的には、次のような商品です。
<外箱破損していても買取対象となる食品>
・ダンボールやパッケージなど外装のみの破れ
・缶詰などの缶潰れ(ヘコ缶)
なお、瓶や缶が破損し中身の漏れが発生しているなど、内容物の状態に問題がある商品は買取対象とはなりません。
輸入食品の過剰在庫を買取に出す際の注意点
輸入食品の過剰在庫を買取に出す際のチェックポイントとしては、次の事項が挙げられます。
<輸入食品の過剰在庫を買取に出す際のチェックポイント>
・大量ロットを一度にさばけるか
・賞味期限間近の商品も買取してもらえるか
・秘匿性を保ったまま取引できるか
・正確な商品の状態を写真や動画で伝える
それぞれ解説していきます。
大量ロットを一度にさばけるか
輸入食品を買取に出す際には、一度に大量ロットをさばける業者を探しましょう。輸入食品の場合、コストやリードタイムなどの問題から、商品を大量に仕入れているケースが多々あり、大幅な過剰在庫が発生しやすいものです。一度に大口のロットをさばける業者に依頼しないと、数社と交渉する必要があるなど何かと効率が悪くなってしまいます。
特に食品の場合は期限に留意する必要もあるため、なるべく迅速に大量の在庫を買取してもらえる業者を探すのが賢明です。
賞味期限間近の商品も買取してもらえるか
できる限り食品ロスを防ぎつつコストを回収するためにも、賞味期限間近の商品でも買取を実施している業者を探しましょう。通常の販売ルートの場合、製造日から賞味期限までの3分の1、もしくは2分の1を超えた商品は納入できない暗黙のルールがありますが、買取の場合にはその限りではありません。
ただ、どこまで期限に余裕があれば買い取ってもらえるかは、業者や商品によってまちまちです。多様な販路をもつ買取業者なら、条件さえ合えば期限ギリギリの商品でも買取してもらえる可能性もあります。どうしても買取が難しいケースでは、キャンペーンや寄贈などの代替案を紹介してもらえる業者を利用すれば、大事な商品を極力有効活用できるでしょう。
秘匿性を保ったまま取引できるか
秘匿性を保ったままの取引に対応しているかどうかも、買取業者選びの際のポイントです。販売時に取引先への配慮が必要なケースでも、クローズド展開している買取業者であれば、ブランドイメージへの毀損を防げます。一般の目には触れない形で在庫をさばければ、安心して商品の現金化が行えるでしょう。
正確な商品の状態を写真や動画で伝える
パッケージ・外装へ破損のある商品や、ヘコ缶の混じった商品など、訳あり商品の買取を希望する場合には、外箱の状態を含めその商品の状態をなるべく正確に買取業者へ説明しておくことが重要です。情報が事前に伝えられないまま取引先へ納品された場合には、最悪返品になり取引が成立しない可能性があります。そればかりか、卸先との信用問題に発展し、信頼関係に亀裂が生じる懸念もあります。
訳あり品の場合、「商品の状態を包み隠さず伝えてしまうと買取してもらえないのでは」と危惧することもあるかもしれません。しかし、商品の状況をできるだけ正確に伝えておくことが、スムーズな現金化への近道です。一番悪い状態の商品を写真や動画に撮り、買取業者に渡してしっかり説明しておきましょう。
まとめ
今回は、輸入食品が過剰在庫になってしまう理由や、買取対象となる輸入食品の例、買取に出す際の注意点などを解説してきました。輸入食品は、リードタイムの長さ・ロットの大きさ・不確定要素の多さなどから、一歩間違えれば大幅な過剰在庫になりやすい性質があります。食品は期限の問題もあるため、万が一在庫をさばききれなくなった際には、積極的に買取業者を利用してスムーズに現金化するのがおすすめです。
アイムライズは、輸入物をはじめとした食品全般の買取を得意としています。秘匿展開しながらの大量ロットの買取にも対応しており、外装破損など訳あり商品の取引も可能です。輸入食品の過剰在庫に悩んでいる企業の担当者様は、ぜひ一度アイムライズにご相談ください。